工場に新たに自動ドアを導入する際のポイント
工場・倉庫・作業場の入口を自動ドア化すると、作業効率や安全性が大きく向上します。
一方で、一般的な店舗用自動ドアとは違い、工場ならではの環境に合わせた考慮が重要です。
この記事では、工場内の入り口に自動ドアを導入する際に確認すべきポイントを、専門業者の視点からわかりやすく解説します。
工場で自動ドアが求められる理由
工場では、以下のような悩みが非常に多くあります。
- 台車で通過するドアの開閉が大変
- 両手がふさがっているときがおおい
- 重いドアを毎回開けっぱなしになっている
- 空調効率が悪い
- ホコリ・虫・外気をできるだけ遮断したい
- 作業員の出入りが多い
- 衛生管理を強化したい
こうした問題を解決するため、近年は工場でも後付け自動ドアの需要が増えています。
工場用自動ドアで重要な5つのポイント
① 開閉頻度に耐えられるか
工場では、一般店舗よりも開閉回数が非常に多くなることがあります。
特に以下の場所は要注意です。
- 製造ライン入口
- 搬入口
- 作業区画の出入口
- クリーンルーム前室
1日に千回レベルで動くケースもあり、簡易型の後付け自動ドアでは耐久性不足になることがあります。
そのため、基本的には一般的な自動ドアか、それと同一のモーターを採用するタイプの後付け自動ドアにのほうがよいでしょう。
などを選定することが重要です。
② 安全対策が最優先
工場では、人だけでなく、
- 台車
- パレット
- フォークリフト
- 長尺物
なども通行します。
そのため、自動ドアには高度な安全対策が必要です。
特にフォークリフトが通行する近くの自動ドアでは、開閉時にパトランプを点灯させ、フォークリフト側に通知させることが大切です。
また、直接、フォークが通過する入口は、自動ドアでないほうがほうが良いとおもいます(後述)。
③ 工場環境に合った仕様を選ぶ
工場は一般的な自動ドアが設置されている場所より過酷な環境です。以下の環境ではそれに適した自動ドアは現在、一般的には流通しておりません。
よくある環境条件
- 耐粉塵(つねに粉塵が舞っている環境)
- 耐防水(高IP)
- 極端な高温・高湿
- 防爆仕様
自動ドアは、モータ、ギア、コントローラー、金具、ベルト(チェーン)等からなります。それらのすべてが上記条件specを満たしていない場合は、基本的には使用できないとおもってください。
ただ、以下のような場合はお客様の判断によって
④ 空調効率・省エネ効果
工場では入口の開放時間が長いと、
- 冷暖房効率低下
- 温度管理悪化
- 電気代増加
につながります。
自動ドアにすることで、これらの改善をすることが可能です。
特に、
- 食品工場
- 精密機器工場
- 空調管理が厳しい工場
では効果が大きくなります。
⑤ 衛生対策として自動ドア
過去、ご依頼いただいた例でおおかったのは、食品工場の通路を非接触化するものです。
これは
- 感染対策
- 環境維持
- 外部からの異物・虫対策
の三点に絞られ、目的としては、
- 非接触でのドア開閉
- 開けっ放し防止
との二つから自動ドアを導入するパターンです。

工場でよく採用される自動ドアの種類
引き戸タイプ
最も一般的で汎用的、かつ使い勝手がよいものとして、工場内の自動ドアは基本的には引き戸(スライド)が主流です。
特徴としては、
- もともとスライドタイプの手動ドアであれば、容易に交換できる
- 開き戸でもスライドタイプの自動ドアに変えられる可能性がある
- 開き戸より、ドアメンテナンスが容易
- 台車やAGV(自動搬送ロボット)などの通過もしやすい
デメリットとしては、
- 導入価格は、新設タイプか後付けかでかなり値段の差があり、注意が必要
- 引き込みスペースが必要
- ドア下部に隙間があくため、地面を這う虫対策には不向き(ドアにゴムシートをはるなどである程度は防げますが)
があります。
高速シートシャッター
これが工場・倉庫で活躍しており、もしかしたらスライドドアタイプより多いかもしれません。
メリットとしては
- フォークリフトの通過時の危険性が少ない(素材や反応速度から)
- シャッターで締め切りができるため防虫対策に最適
- 上記理由から防塵対策にも優れている
- 空調効率向上
に強みがあります。
デメリットとしては、
- シートを巻き込むための天井スペースが必要
- おおがりな工事が必要 工期もかかる
- 自動ドアより高額となる場合も
カーテン型自動ドア
ドアのかわりにビニールシートなどをつるした自動ドアとなります。
- フォークリフトなどが万一接触しても大きな事故とならない
- たためるため、スペースを有効活用できる
などの特徴がありますが、専用のビニールシートが必要なことと、空間があく、室内の気圧差に弱いなどの課題もあります。
工場への自動ドア導入時によくある失敗
安さだけで選ぶ
工場では耐久性が重要です。
後付けできる自動ドア装置のかなかには、もともとの素性が家庭用や介護目的のものもあり、それらをそのまま開閉頻度の高い工場内で使用すると、かえってランニングコストがかかります。
工場環境を考慮し、無理なら導入しない。
極度の粉塵や高熱・高湿り、薬剤の使用など、自動ドアの仕様外の環境への導入は重大事故につながります。
メンテナンスについても考慮する
工場では保守性も重要です。よくあるのが、設置後に工場側で自動ドア前に壁をたててしまい、メンテナンスができない、という例もあります。
逆に、メンテナンス必須のメーカーの自動ドアを導入した場合は、メンテナンス費用のほうが導入費用を上回ることもあり、ここも予算計画上、留意が必要です。
工場への自動ドアの導入は「現場に合う設計」が重要
工場用自動ドアは、単純に「自動で開くドア」ではありません。
- 作業効率
- 安全性
- 空調管理
- 衛生管理
- 耐久性
すべてに関わる設備です。
そのため、
「どんな場所で」
「誰が」
「何を運び」
「どれくらい通行するか」
まで考慮した設計が重要になります。

まとめ
工場内の入り口に自動ドアを導入する際は、以下を重視しましょう。
- 開閉頻度への耐久性
- 安全対策
- 工場環境への適応
- 空調効率
- メンテナンス性
- 後付け対応可否
特に工場では、一般店舗用とは違う専門知識が必要です。
「とりあえず自動ドアを付ける」ではなく、現場環境に合った機種選定と施工が、長く安全に使うポイントになります。
無料相談はこちら
「このドアでも後付けできる?」
「費用はいくらくらい?」
といった疑問があれば、まずはお気軽にご相談ください。
👉 現地調査・見積もり無料で対応しています

この記事を書いた人
株式会社ファースト・レイズ代表・八木幹夫。2級建築施工管理技士。日本電産サーボ株式会社にて自動ドアなどの産業機器向けモーターの技術営業を5年経験した後、株式会社ファースト・レイズを設立。後付けに特化した自動ドアの開発・施工販売をしています。趣味はドライブ、アウトドア、読書、車いじり。





