工事のポイント
- 鎌倉にある進学塾の開き戸を取り外し、引き戸の自動ドアに
- 賃貸物件で床工事が出来なかったため、フロアヒンジとドアを切り離す
- 鋼材の中までコンクリートが詰まっており、工事が難航
- FAS07で施工したことで、ドア前スペースが広く、費用も安く、しかも美しく仕上がった
賃貸物件の開き戸を非接触で自動ドアにしたい
鎌倉の進学塾の改装工事について、設計会社からご依頼があり、玄関開き戸の自動ドア化を提案、施工いたしました。
今回のドアは、オーダーメイドタイプの後付け自動ドアFAS07を使用しています。
こちらはビルテナントの賃貸物件で、もとのドアはスチール製の非常に重いドアです。
進学塾ですので、授業前や終了時など、同じ時間帯にたくさんの生徒さんが利用します。
開き戸はどうしても、開く側にスペースが必要ですので、ドアの前に人がたくさんいると、ドアの開け閉めが難しくなり、人の流れがどうしても滞りがちです。
特にこちらのドアは階段の踊り場に向かって開くため、階段を利用する人にとっては、かなり危ないこともあったかと思います。
開き戸にある挟み込みのリスク
また、開き戸は、挟み込みのリスクがあります。
とくにスチール製の重いドアは、挟まったときの衝撃が大きく、場合によっては指先の切断などという恐ろしい事故にもつながります。
とくに小さなお子様には要注意。
お子様は、まだ背丈が低いので、ドアノブに手が届かないことも多いです。
開き戸のドアが閉まるとき、ドアノブを捕まえることができず、とっさにドアの端をにぎってしまうことが多々あります。
そうすると、指が挟まれてしまうのです。
怖いですよね。
今回のドアの開閉装置はフロアヒンジ式
また、開き戸にはドアクローザー(ドアオープナー)と呼ばれる装置がついています。
これは人が最後まで閉めなくとも、ドアをしっかり自閉させたり、逆に、強風などで強くドアが閉まるときに、これをやわらげるものです。
ただ、この部品には、定期的なメンテナンスや交換が必要だということは意外と知られていません。
実際、私たちが施工する重い開き戸は、だいたいクローザーが壊れてることが多いです。
ドアクローザーはドアの上につけるものと、床に埋め込んだタイプがあり、床に埋めたものは、フロアヒンジ式と呼びます。
今回は、床に埋め込まれたタイプのフロアヒンジ式でしたが、ドアが重すぎるのか、動きがスムーズではなく、一部重くなっていました。
学習塾ですので、生徒さんがご利用したときに、ドアが重すぎて、開けられないことがあったのではないかと想像します。
賃貸物件で、床の掘り起こしができなかったので、フロアヒンジからドアを切り離す
フロアヒンジ式のドアを自動ドアにするときは、ドリルで床を掘り起こして、部品を取り出し、モルタル補修するのが一般的です。
しかし今回は賃貸物件のため、それはできません。
別の方法を考える必要がありました。
私たちが出したアイデアは、ドアからフロアヒンジを切り離し、ドア枠は再利用し、ドアは新しく導入する、というものでした。
そうすると、床に穴を開ける必要がありませんし、ドア前のスペースも広く使えるようになります。
ちなみに、私たちご依頼いただく前に、リフォームを担当されるデザイン会社さまにも色々と案をいただいていたそうです。
デザイン会社さまの案は、室内側に自動ドア用の枠(フロント)を設置する方法でした。
しかし、自動ドアの見積もり費用がとにかく高額で、また使い勝手が悪いことが課題だったようです。
ふつうに考えれば、施工する側にとっても、室内側に自動ドア用の枠(フロント)を設置する方法は楽です。
しかし、そうすると材料費はそれなりの金額になりますし、なにより、室内が狭くなってしまいます。
今の開き戸の枠を使い、最小の工事で、なるべく自然に、かつ使い勝手のよい自動ドアに
今回、私たちがご提案させていただいたのは、今の開き戸の枠を使い、最小の工事で、なるべく自然に、かつ使い勝手のよい自動ドアにしましょう、というものでした。
まず、前述したようにフロアヒンジとドアを切り離します。
わかりづらいですが、閉じたとき、わずかにドアの下の左側にみえている銀色の円形のものがそうです。
いざ、外そうとすると、これが渋くて、ほとんど動かないし、何か赤い粉が大量に出てきます。
奮闘し、ようやく外すと、下のように錆だらけでした。
図面上では問題なかったものが、実際の工事で発覚
『言うは易く行うは難し』のことわざではないですが、頭と図面上で、こうすればよいとわかっていても、なかなか進まないのが、後付け自動ドアの工事です。
この建物は鉄骨で、かつドア周りは、これでどうだとはがりにモルタル=コンクリートがまわっており、なんと鋼材の中までしっかりと入っていました。
しかも、経緯はよくわからないのですが、現在のドア枠のまえに、別のドア枠を付けてあった形跡がありました。
なかなか下地がわからず、いつもは10分で終わる反対側にセンサー線をとおす作業に、1時間以上かけることになりました。
ただ、事前にある程度想定はしていたため、心構えや工具も揃えていたのはよかったです。
準備は本当に大事ですね。
ここまでくれば、後は簡単です。
ドア枠が多少ゆがんでいようが、調整、調整でなんとかしていきます。
補強し、装置を取り付けて、ドアを吊るします。
ドアは引き戸を新規に作成しました。
誘導灯がかなりぎりぎりで、慎重に作業しないと壊しそうだったので、ひやひやしました。
まるで初めから自動ドアがあったかのような完成度に!
完成したのがこちら。
誘導灯はもともとあった場所から移動していません。
かなりギリギリですが、傷つけずに施工完了です。
写真には写っていませんが、こちらのドアは鎌錠をつけており、施錠できるようにしてあります。
センサーはいつものように手かざし+人感のタイプで、手を近づけることで開くタイプにしました。
新型コロナウイルスはいま、ひと段落してますが、今後もこうした感染症にたいする対策は必要だと思います。
アフターコロナの日常のキーワードのひとつは非接触だといわれていますが、既存の手動ドアを、手で触れずに通過できる自動ドアにするのは弊社が得意とすること。
これから、もっとお役に立てることがあると思っています。
FAS07の詳しい製品情報はこちらから
この記事を書いた人
株式会社ファースト・レイズ代表・八木幹夫。2級建築施工管理技士。日本電産サーボ株式会社にて自動ドアなどの産業機器向けモーターの技術営業を5年経験した後、株式会社ファースト・レイズを設立。後付けに特化した自動ドアの開発・施工販売をしています。趣味はドライブ、アウトドア、読書、車いじり。
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