センサー・モーターはどう動いているの?
店舗や病院、オフィスなどで毎日何気なく使っている自動ドア。
人が近づくだけでスッと開く便利な設備ですが、
- 「どうやって人を感知しているの?」
- 「どんな仕組みで動いているの?」
- 「壊れやすいの?」
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、とくに自動ドアの、センサー・モーターの仕組みを専門業者の視点でわかりやすく解説します。
自動ドアの基本的な仕組み
自動ドアは、電気で動き、主に次の4つで構成されています。
- 起動装置(センサーやタッチスイッチなど)
- 制御ユニット(コントローラーとも)
- モーター
- ドアや枠、レールなど自動ドア建具
大きく分ければ、電気で動く部分と、建具(ドア部分)にわかれます。
今回はそのうち「電気で動く部分7」について、ご説明します。
自動ドアの電気的な仕組みを簡単に解説
① 起動装置
自動ドアに「開け」と指示をだすものを「起動装置」といいます。
専門的な言い方ですので、人感センサー、あるいはタッチスイッチといったほうがわかりやすいでしょう。
どちらも電気で動き、自動ドアの「目」や「肌(触れて感じる)の役目をするものです。
② 制御ユニットとモーター
起動装置から電気的な指示を受け、。制御ユニット(コントローラー)がモーターへ信号を送ります。
モーターはプログラムされた回転速度、回転数でうごき、ベルトで牽引されたドアを動かします。
③ 自動ドアの基本は待機
一定期間、①の起動から指示がないと、ドアを閉める動作をし、次まで待機します。
このとき、自動ドア内部の電力は極力カットするように制御しています。
起動装置について
① 赤外線式センサー
日本の自動ドア用人感センサーは基本、このタイプです。
人間や物体から放射される遠赤外線を「熱」として検知し、空間内の「熱のゆれ」を、「動き」として検出します。
特徴
- 技術的、品質的に完成されており、故障が非常に少ない
- 安価に製造できる
- 広い空間範囲をとらえる必要があるため、高い位置に装置をつける必要がある。
- 誤作動しやすく、精密な感知は苦手
- 極端な暑さ、湿気、汚れに弱い
こんな場所に使われています。
- コンビニ
- スーパー
- 病院
- 商業施設
使用頻度が高く、高い耐久性が求められるところにつかわれています。
② マイクロ波センサー
超音波を放射し、物体からもどってくる音波の差から移動している物体を検知します。最近開発が進んだ最新式のセンサーです。
特徴
- 学習機能を持つものが主流で、赤外線式より精密な感知が可能
- 暑さ湿気や汚れに強い
- 技術的にはまだ新しく、部品も高額
- 振動による誤作動があるため場所を選ぶ
こんな場所に多い
- 開き戸
- 赤外線ドアでは誤開閉
- 工場
- 風除室
超音波センサーの感知は、赤外線より細かく、「学習」機能をもつ回路を搭載しているものも多いです。
③ タッチスイッチ式
スイッチを押し込むことで開閉します。多くは無線式で、スイッチ部が子機にあたり、無線親機は自動ドア本体内に格納します。
コロナ禍では接触による感染リスクがあるとして設置が減りましたが、根強い需要はあります。
特徴
- 光を反射する床、のれんや植物の多い場所でも設置できる
- トイレや食品工場などでは感染リスクがある
- 電池交換が必用
- 内部のゴムが摩耗するため、タッチスイッチ自体も定期的な交換が必用
センサーはなぜ誤作動する?
人もいないのに自動ドアが開く、開きっぱなしになるのは、100%センサーが原因です。
- 風で旗や植物が動いた
- 虫がセンサーについている
- 大雨や寒暖差でセンサー表面に結露がある
- センサーになにかをぶつけて、カバーがずれている
- 近くに反射物がある(車や太陽光パネルなどの事例があります)
- センサーが受光部が劣化して、傷だらけになっている
などです。
自動ドアの制御ユニット(コントローラー)
自動ドアの頭脳、それが制御ユニットです。自動ドア各社で最も差がでるところであり、ドアの動きにも微妙な違いが出るところでもあります。
- ドアごとの重量と開閉幅の記憶
- 開閉幅をもとにした開閉プログラムの決定。
- モーターへの指示と起動装置との連絡役
- 交流ACから直流電流への変換・とりだし
- さまざまなオプションの制御
- 必用におうじて、開閉速度や開閉時間の調整・設定
- モーターからの異常を感じての停止、ドアの反転指示
などです。
自動ドアの「モーター」の種類
自動ドア用のモーターは大別すると、「DC(直流)ブラシレスモーター」と「DCブラシ付きモーター」にわかれます。
た日本製の自動ドアは、ほとんどが「DCブラシレスモーター」を採用しています。
ブラシレスモーターは静かで、長寿命、制御性能が良いという特徴があります。
いっぽうブラシ付きモーターは、構造がシンプルで故障に露く、製造コストが安いという特徴があります。この面から、海外、とくに中国製の自動ドアなどではブラシ付きモーターを採用するメーカーもあります。
また、ブラシレス、ブラシ付きにかかわらずモーター単体では大きな力をだせないため、ほとんどがギアとセットで運用します。
このギアの種類によっても、音や寿命もかわってくるのですが、そこは細かい話になるのでふれません。
モーターとギアの組み合わせ、さらに、それを制御する技術は、日本製の自動ドアが世界一だと思っています。
専門的な話となりますが、海外製の自動ドアの一部でドアをぶつけてとめるものがあり、閉まるたびに大きな音が出るものを見たことがあります。
日本製の自動ドアでは考えられないです。
日本製の自動ドアは、モーターの回転数の加減と慣性だけで、ぶつかるかぶつからないかの寸前をみきわめ、非常に繊細にドアをしめます。
高い技術の証明といってよいとおもいます。
自動ドアの故障状況からみる、原因
ドアは動くけど、動きがおかしい。開いたままになる
センサー故障の可能性が高いです。まれにコントローラー異常も。
自動ドア内部から異音がする
モーターおよびそれとドアをつなぐベルトの劣化、金物との緊結のゆるみの可能性があります
電源が入らない 入るが動かない
制御ユニットの故障か、電源スイッチの故障です。
自動ドアの機械(電子)部分の寿命は?
家電がそうであるように、暑さ、湿気、落雷などで、内部の回路キバンに使われている電子部品は突然こわれます。
一般的には、この電子部品は10年が寿命の限界といわれます。
経験と感覚でいうと、モーター、センサー、制御ユニットの順で故障することが多く、これは熱や湿気の有無が差の理由だとおもっております。
モーターは動作のたびに熱をもちます。
センサーは屋外に設置しているものほど故障率が高く、とくに夏場はよく壊れます。
またセンサーは基本的には防水仕様ですが、それでも高い湿度には弱く、大雨のあとや雪の翌日などは故障する確率が高いです。
まとめ|自動ドアは機械(メカ)+電気・電子(エレキ)+情報・制御(ソフト)で動いている
自動ドアは、いわゆるメカトロニクス機械(メカ)+電気・電子(エレキ)+情報・制御(ソフト)の総合で建具を動かす製品です。
私(記事作成者)はもともと、自動ドアはじめ搬送用やコインメック等のメカトロ機器の製造・提案をしていた企業にいたため、非常になじみのあるものですが、建設業界ですと、なかなか、その仕組みについてまで詳しいひとは少ないと思います。
仕組みを知ることで、自動ドアが身近なものに感じられれれば幸いです。
また、このメカトロニクスの観点から、従来の発想にとらわれずにドアを自動ドア化する「後付け自動ドア」の導入も増えています。
「手動ドアを自動化したい」
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という方は、まずは専門業者へ相談してみるのがおすすめです。
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この記事を書いた人
株式会社ファースト・レイズ代表・八木幹夫。2級建築施工管理技士。日本電産サーボ株式会社にて自動ドアなどの産業機器向けモーターの技術営業を5年経験した後、株式会社ファースト・レイズを設立。後付けに特化した自動ドアの開発・施工販売をしています。趣味はドライブ、アウトドア、読書、車いじり。





