工事のポイント
- HACCP義務化への対応で食品工場のトイレの手動ドアを自動ドアに
- 既存の開き戸は撤去し、引き戸を新調して施工
- 新しいドアの色はもともとのドア枠に合わせて作成
- 他社さまのお見積もりでは周りの壁を壊す提案だったものの、弊社案は壁を最低限の工事で済むように工夫
- ドアの高さが180㎝と低く、弊社の施工史上もっとも低いドアへの施工
HACCP義務化に対応するために手動ドアを自動ドアに
最近、HACCPの観点からの自動ドア化の依頼が増えてきています。
食品業界でないかたには、HACCPとはなんぞや、という方もおられると思います。
HACCPとは、Hazard Analysis and Critical Control Pointの頭文字をとったもので、「(食品製造上の)危険要因分析(に基づく)必須管理点」と訳されます。
よりわかりやすいえば、「食品を製造するときに、衛生上の危険が発生しないために、特に重要工程を管理していきましょう」ということでしょうか。
HACCPの手法は以前から食品工場には導入されていましたが、2018年に改正食品衛生法が可決され、2021年6月から、HACCPの義務化が決定しています。
このため、弊社にも少しずつHACCPのための問合せをいただいております。
開き戸のドアは衛生上はNG
今回の食品工場では、トイレが手動の開き戸となっておりました。
もちろん、トイレ使用後は石鹸による手洗い、さらにアルコール消毒を厳しく徹底されておりますが、どうしても、最後にドアノブをさわらねば出られません。
しかも、こちらのドアはラッチ式。
ドアノブを手にとって、まわさねばなりません。
新型コロナウイルスだけでなく、ノロウイルスなども空気中に漂っているウイルスがドアノブを介して感染拡大することがわかっています。
ドアノブは食品製造上の危険要因、撤去が必須だといえます。
こちら、弊社以外の会社でも自動ドア化を検討したそうですが、建物の壁を壊す提案をされ、金額もかなりだったとのこと。
うちは、建物の構造を見たうえで、最低限の壁工事でお引き受けさせていただきました。
今回、オーダーメイドタイプの後付け自動ドア・FAS07を使って施工しています。
開き戸を撤去し、引き戸を設置
まずは既存の開き戸をすべて撤去します。
開き戸枠の使えるところは活かし、下地工事も入れておきます。
今回、ドアも新調、色ももともとのドア枠にあわせてブロンズとしております。
当初はすべてガラスの予定でしたが、下はアルミパネルのほうが堅実なデザインでよいとのことで、中帯をいれて上クモリガラス、下はアルミパネルとなっています。
もともとの開き戸の高さが180㎝程度と非常に低く、弊社の施工史上でも最も高さの低い自動ドアとなりました(笑)
ドアに張られた「手を近づけてください」プレートに手をかざすと開き、あとは自動で閉まります。
基本的にはドア手前10㎝に近づいても、無駄に開かない仕様となっています。
また、ドア入退室中に立ち止まった場合は挟まれ防止の安全光線が働き、ドアを開いたままにします。
弊社のセンサーは通常の自動ドア用のもの(optex社製)を使用しています。
一般的な自動ドアは高さがほぼ決まっているため、ここまで低いところに設置するのは稀です。
調整がなかなか大変ですが、そこも弊社独自のノウハウでキッチリ仕上げてお引渡しさせていただきました。
HACCP義務化にむけてトイレ開き戸の自動ドア化を
毎年、食品工場や食品加工施設、厨房などでノロウイルスや大腸菌などを原因とする食中毒が発生しております。
それらを防止する手段の一つとして、ドアの自動化は非常に有効です。
ちなみに今回の工事は1日で、しかも工場稼働中に終わりました。
施主様の大手食品メーカー様からは、非常におほめのお言葉をいただき、引き続き別の個所のトイレの自動化のご依頼もうけております。
ドアノブにふれない開閉による感染症対策をご検討の際は、ぜひファースト・レイズにお声がけください。
施工は関東、山梨、静岡と愛知の一部です。現地調査は無料です。
FAS07の詳しい製品情報はこちらから
この記事を書いた人
株式会社ファースト・レイズ代表・八木幹夫。2級建築施工管理技士。日本電産サーボ株式会社にて自動ドアなどの産業機器向けモーターの技術営業を5年経験した後、株式会社ファースト・レイズを設立。後付けに特化した自動ドアの開発・施工販売をしています。趣味はドライブ、アウトドア、読書、車いじり。
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