
ドアノブをさわらずにドアを通過したい
東京都内の公共団体からのご依頼により、オフィスの開き戸を自動ドア化しました。
こちらのオフィスは基本的にはすべてのドアにセキュリティロックがかかっており、部外者は入室できない仕組みとなっております。
オフィスの入室のためには、一定の手順でロック(電磁鍵)を外し、そのあとはドアノブをもって、入退室する仕組みです。
ただ、この方法には二つの問題があります。
一つは車いすユーザーさまにとって、非常に不便であるということ。
私も仕事がら、車いすにのって導線確認をしたりするのですが、車いすというのは、腰が足先よりおちているため、手をのばしてドアを引く、押すといった動作は、不可能ではないですが、楽ではないです。
もうひとつは、健常者にとっても、いちいちドアノブを持たねばならない、ということは手に荷物をもって通過するさいの一つのハードルになります。
障がいのあるかたも、そうでないかたも、一つのオフィスで何のストレスなく働ける。これこそが真のバリアフリーだと思います。
「現状の開き戸を、セキュリティシステムをそのまま活かして、自動化できないか?」
とのご相談をいただいたとき、「できます」と即答させていただいたのは、これこそが、弊社が得意とする分野であり、またやりたい仕事だったからです。
自動化にするにあたってのお客様から、「開口部を現在より広くできないか」とのご相談がありくした。
もともと、この開き戸は大小のドアからなる親子ドアでしたが、セキュリティ上の理由から、基本的には大きな側のドアしか開かないようになっています。親ドアの開口は90㎝程度しかなく、開き戸の場合、ドアの厚みがあるため、実際の開口はさらに狭くなります。
いつもの私たちのパターンでは、ここは迷いなく開き戸を外し、新規に引き戸をつくっての自動化です。
ただ、ここで大きな問題がありました。
引き戸にするにしても、ドアを引き込むスペースがほとんどないのです。壁まで60㎝もありません。
60㎝の引き込みでは、たとえ130㎝のドアを作成したとしても、70㎝ほどの引き残しかできてしまい、意味がありません。
今回、私たちがご提案させていただいたのは、連戸というドア。
わかりやすくいうと、開いたときは、2枚が重なって収納され、ドアが閉まると、この2枚が開口部で130㎝のドアとなる、というものです。
写真をみたほうがわかりやすいかもしれませんね(笑)
書くと簡単ですが、じつは設計、施工はけっこう手間でめんどうです。
とくにキッチリ、美しくおさまるためには、重なりもふくめてよくよく検討しなければなりませんが、そこは現場合わせで、毎回やっていくのが私たちです。ソリューションとノウハウで食べているので(笑)
開き戸を外して、自動ドアに
施工はまず、開き戸を外すところから始まります。
まず、開き戸をすべて外します。
事前にセキュリティシステムの移設工事はしてあります。
その後、補強工事を行い、袖壁をつくり、あらたに自動ドア用の袖壁を設置し、また自動ドアエンジンを設置していきます。
なんだかんだと作業すること数時間。
最後に、今回の開口部にあわせて作成したアルミ製の連戸をつりさげます。
実際にどんな感じで動くのか、気にになりますよね。
下のが実際の動画です。上の写真とは反対側からの映像となります。
するするっと滑るように2枚が連動して動きます。
コロナウイルス対策としても自動ドア化は有効
もともと、今回のお話は、オフィスのバリアフリー化を目的としたものでした。
お話が本格化してから施工までの時間は短くて、製品の製作納期ふくめて2か月程度でした。
ただ、そのあいだに、新型コロナウイルスが東京で猛威をふるいはじめ、一日100人とかの感染者がでてました。まさに緊急事態宣言が出る直前のこと。
結果として、お客様からは、感染対策としても非常に良い工事だったとのお言葉をいただき、同じ団体内のほかの個所にもご紹介していただけるとのこと(非常に大きな団体さまです)
あらためて、お聞きしたところでは、こちらのオフィスではドアノブなどは、清掃専門のかたが毎日、クリーニングをされているとのこと。ただ、当然、人が通るたびではありません。そういう意味では、やはりドアノブにふれない、ということが唯一無比の感染対策となります。
オフィスの開き戸の自動化、バリアフリー化、ドアノブにふれない開閉による感染症対策をご検討の際は、ぜひファースト・レイズにお声がけください。
既存のセキュリティシステム、入退室管理との後付け連携も可能です。
施工は東京、埼玉、千葉、群馬、栃木、茨城、静岡と愛知の一部です。現地調査は無料です。