自動ドアの前に立っても反応しない
自動ドアが突然反応しなくなった!ということありませんか?
あるいは、誰もいないのに、急に自動ドアが開いたこととか。
例えば深夜のコンビニとかで、急にドアが開いた、なんてこと実はよくあります。
これは別に自動ドアが人を選んでいるわけでも、ましてや超常現象ではありません。
理由があります。
それはセンサー。
断言調に言いましたが、その原因はほとんどセンサーにあると言っても言い過ぎではありません。
自動ドアはモーターや制御システムと同じくらいに、センサー(スイッチ)がとても大事です。
センサーやタッチスイッチは、いわば自動ドアにとっての目にあたります。
これが働くことによって、自動ドアの脳が作動し、ドアを正常に動かします。
ただ、そのセンサーも当然、万能ではありません。
自動ドアが反応しない、勝手に開閉するといったことは、そのセンサーの性質と関係しています。
ほとんどの自動ドアは人感センサータイプ。人感センサーは誤作動を起こしやすい。
自動ドアのスイッチとセンサーは、大別して2つに分けられます。
接触式と日接触式です。
接触式はタッチスイッチと踏んで開くマットタイプのものがあり、非接触式は人感センサーが感知して開閉するタイプのものです。
とはいえ、接触式はタッチスイッチ、マットに限らず、最近少なくなってきました。
理由は、接触部のあるスイッチはどうしても摩耗、消耗するため、定期的な交換が必要であり、メンテナンスが面倒なためです。
特にタッチスイッチについては、ここ一年、新型コロナウイルスの流行によって、接触感染のリスクから、むしろ人感センサーへの積極的な交換をされる方が増えております。
実際、私たちもここ一年、「タッチスイッチから、人感センサーに交換する」という工事を何件も行いました。
現在の私たちへの工事依頼からすると、9割は最初から人感センサータイプの自動ドアとなっています。
普段、自動ドアを意識して見ることはないと思いますが、自動ドアの上部にある長方形の細長い箱型のものが人感センサーです。
日本にある人感センサーは赤外線式がほとんど
人感センサーは人を感知して、ドアに開閉の指示を出します。
ただ、当然、機械なので誤作動します。
その誤作動が最初あげた「ドアが反応しない」、「無人なのにドアが開いた」という現象の正体です。
では、自動ドア用の人感センサーはなぜ誤作動するのでしょうか?
それは、センサーの性質によります。
自動ドア用の人感センサーは大別すると、
1.赤外線式
2.超音波式
の二つにわかれます。
もともと、1の赤外線センサーが主流でしたが、最近になって、超音波式も市場に出回るようになってきました。
ただ、現在でも、数のうえでは日本中の自動ドアの多くが、赤外線式の人感センサータイプとなっています。
サーモグラフィという言葉を聞いたことがないでしょうか?
人や物の表面の温度差を赤や青などの色であらわした画面です。
人や物などは、熱を持つと赤外線を発します。
サーモグラフィはこの赤外線をとらえて、色分けのしたものです。
赤外線式の人感センサーも同様に、この色の差に反応します。
なにもないところに人がとおると、熱=赤外線を発するので、これに反応するわけです。
夜と昼、夏と冬、背丈や服装でも反応はちがう
ただ、人の表面温度は当然、夜や昼、夏や冬では異なります。
また、黒い服、白い服、アクセサリーなどでも異なってくるでしょう。
基本的には人がいれば、熱はあるので、必ず反応するのですが、その反応の差は当然あります。
人感センサーを設置したとき、基本的には反応を絞り、感知をできるだけ弱くして、誤作動を減らします。
ただ、このとき、絞りすぎると、当然、センサーの反応のばらつきも大きくなります。
また、たとえば冬に自動ドアを設置した場合で、さらに感知を絞ると、夏のときは過敏に反応するようになります。
また、雨上がりや雪のあとの高温多湿で、反射が多く、熱を持った光が飛び交っているときも、反応したりします。
つまり、これが「自動ドアが反応しない」「自動ドアが勝手に開閉する」の原因です。
では、自動ドア設置業者としては、どう考えているのでしょう。
基本的には「設置場所に合わせて最適に」です。
屋内、屋外、用途、これをしっかりと踏まえたうえで、どういう感知にするか決めます。
たとえば病院の診察室であれば、無駄に開閉させません。
しかし、駅ビルに直結する商業施設のドアであれば、自動ドアの有無など関係なく、走ってかけこむ方もいますし、その場合、反応しすぎるぐらいにします。
また、台車を使う、子供が多いなどでもやはり設定は変わってきます。
ただ、それでも四季のうつろいや天候の変化のたびに設定を変えることはできないので、ある程度、誤作動や遅延はおきてしまいますが、それでもベストをさぐって、お客様に提供していくしかないですね。
ここはノウハウもあり、設置業者の腕の見せ所です。
とくに弊社のように後付けで、もともと自動ドアではない高さもマチマチなドアに設置していると、毎回、センサー設定にかなりの時間をとられています。
自動ドアが調子悪いときの応急処置方法
うえで述べたとおり、自動ドアの不調の多くはセンサー、それも赤外線センサーに問題が起きていることが多いです。
ここでは、誰でもできる簡単な対処法をお教えいたします。
どれも当たり前すぎることばかりですが、案外これだけで解決したという事例も決して少なくありません。
1. 自動ドアの近くにあるものを取り除く
自動ドアのそばに、観葉植物やのぼりや旗などを新たに置いたり、移動すると、これにセンサーが反応して誤作動を起こします。
また、観葉植物の場合は、ずっと同じ場所に置いておいても、葉が伸びてきて、センサーがこれを感知などということもありましたので、疑ってみてもよいかもしれません。
2. 自動ドア上部のセンサーを掃除する
自動ドアの反応が悪い場合は自動ドア上部(無目)センサーが汚れているかもしれません。
とくに外のセンサーは埃や砂、もしかしたら蜘蛛の巣がはっていたりもするかも。
いずれにしろ、センサーの掃除が必要です。
自動ドア上部(無目)センサーは上下にわかれており、下側が黒くなっています。
ここが目の役割をはたしますので、この目が曇っていれば、うまく反応しません。
自動ドア上部のセンサーを清掃するときは、必ず自動ドアの主電源スイッチを切ってからにしましょう。
怪我や事故の原因となります。
3. 自動ドア上部センサーのカバーを確認
自動ドア上部センサーのカバーは、ビスでとまっているのではなく、プラスチック製で、溝にはめこんでいるだけです。
それほど簡単には外れませんが、道路が近く、振動が多い建物、地震のあと、またゲリラ豪雨や台風のあとなどでは、稀にカバーが外れかけていることがあります。
このとき、はずれかかったカバーの揺れをひろって、誤作動してしまうことがあります。これも確認すれば簡単です。
4. 天気による場合
積雪後の晴天、真夏の驟雨のあとの快晴時などで、地面からの反射光と熱源が多くなり、自動ドアが開きやすくなることがあります。
これは時間がたてぱ解決しますが、たとえば雪であれば、どかしてしまえば、多少改善はされます。
上記でも改善しない場合は、自動ドアの設置業者にご依頼ください。
センサーが故障している可能性が高いです。
あるいは自動ドア本体に問題がある可能性もございます。
ファースト・レイズについて
弊社ファースト・レイズは後付けを専門にしている自動ドア会社です。
自動ドアのことでお困りの際は、ぜひ弊社にご連絡ください。
この記事を書いた人
株式会社ファースト・レイズ代表・八木幹夫。2級建築施工管理技士。日本電産サーボ株式会社にて自動ドアなどの産業機器向けモーターの技術営業を5年経験した後、株式会社ファースト・レイズを設立。後付けに特化した自動ドアの開発・施工販売をしています。趣味はドライブ、アウトドア、読書、車いじり。
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